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名神高速から中央自動車道へ深夜のドライブもすっかり習慣となりました。
途中、駒ケ岳SAで就寝。
13日早朝、真夏とはいえさすが信州の爽やかな朝、ラジオ体操でスッキリとした気分になり
小川山へ向かい出発。
ところで藤原さんの地理情報はスゴイのです、道路・鉄道など交通網の地理地名や土地の特
産物、その知識量はカーナビに歴史的事象を添えたさながらヒュウマン・ソフトと言ったところ
です。
そこで思いついたニックネームが「歩く国土地理院｣、おかげさまで地図もカーナビも不要、途
中迷わず最短距離で小川山に到着できました。
今回はショートプログラムの日程でもあり即、岩場へ。
ここでもやはり岩の名前、位置、ルート名、グレードも既にバッチリ入力済みでトポ要らず本当
に記憶力のいい方です。
正味2日間の期間中､マラ岩､おむすび山スラブ､尾根岩2峰だか3峰だか､父だの母だの姉
だか妹だか、はたまたリバーサイドだの何たらカンたら、エエェー！マダァー？ そしてこれで
もかとアッチャコッチャのボルダー代ヘと始発から最終まで「Ｊ Ｒ時刻表」並みの超過密スケジ
ュールです。
にわか雨が降っても平気、替ルートが既に用意されておりバックアップ体制も万全、「ドンウォ
リー、フォローミー・エブリバディ、カモン」てな具合でね。
概ね、柳原・藤原のハラーズ、沖田・八木の置屋組に別れてはいましたが、レスキュウーヘリ
コプターが頭上近くを旋回し続けるのを脇目に互いのペアを心配しつつも制限時間まで登り続
けました。
それはあたかも乱高下を繰り返す株価グラフ調にアップ＆ダウン､また無声映画さながらの早
送りで山中を移動し続けたという印象でございました。
しかし彼らは疲れないのだろうか、というよりはやはり私の体力が無さ過ぎるのでしょう、トホ
ッ、さしずめ置屋の旦さんと言う事でしょうか。
沖やん、「おやゆび山スラブ」にて“無名ルート，リメンブランス、ラベンダー、ジェイコブズ・ラダ
ー、ほんにゃらごっこ、パイプライン”と5.10a-dまで完全オンサイト、尾根岩1峰・“メルドー5.1
1d”だったかな？粘りのクライミングファイト、妹岩・“カシオペア軌道下部5.10a”でもエクセレン
トなハング登りを披露。
ハラーズも父岩・“小川山物語”で怖かったとか、尾根岩2峰・“コレクション”にわか雨で2ピッ
チでクライムダウン、なぜか谷を隔てた対岸の岩場まで移動とピンボールみたいに元気ゲンキ、
離れていたので詳しく描けないけど､ここら空気薄いんとちゃうん？
自慢や無いけど走ったら目一杯息切れして確実にブッ倒れますけど、僕やったら。
そんな置屋の旦さん八木でも胸に秘めていた一本“カサブランカ”に賭けていました。
残念ながら感動のＲＰとはいかなかったけれど、このハンドクラックだけの純粋なナチプロ・リー
ド・クライミングを成しえた事はある種の官能的体験でありました。
〜“静かな山里の奥座敷、美しい芸者衆に囲まれ金粉散らした大吟醸の杯を舌に滑らせなが
ら大間のクロかインドのビンチョウ、中トロあたりを蒔絵を施した漆塗りのお箸で『旦さん、おひ
とつどうぞ、ワサビよろしおすか、お口を開けておくれやす、アーン』てな具合で頂くお姉さんの
膝枕。
襖越しには床の用意が、芸子の白く華箸な指が帯締めに掛る「み−さんも、お人が悪うおすえ
・・・』て、そして雅な三味の音色にのって長唄が鼓膜を撫でる。
ほろ酔い気分でふと薄瞼を持ち上げれば、エェーッ､社長！
平ら山ユージさん？
ハイブリッド芸者､化粧濃い！
何でここにおるん？
『毎度！八木ちゃん、ゲンキ？ ゴメンな、
公共事業削減で長唄のバイトしてまんねん、
♪銭のためなら恥でもすててｴ〜♪ってね、エェ
でえ』って、そんなアホなァ！
オエー・マイ・グアー！〜すみません、もう止めます、山行レポは事実のみを報告、とにかく登
れて満足できた事をお伝えしまして報告を終えます。
《もし続きをお読みになりたい方は、これから書くかな？ノンフィクション・エッセイ“マグロに乗
った感動の芸者"》
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